人間や動物、仏や神にいたるまで自由な表現ができる彫刻。
日本で最初の彫刻といえば「土偶」や「埴輪」があるように、それぞれの国や地域で長い歴史を持っています。
また、彫刻というと木製の彫り物を想像する方が多いのですが、実は素材に決まりはありません。
ブロンズや金属類、象牙や珊瑚が使用されることもあります。
そんな彫刻は、有名な彫刻作家が手がけた作品の場合は高い価値がつき、高値で取引が行われます。
また象牙や珊瑚といった素材そのものの価値が加味されることもあります。
彫刻に買取は業者に依頼するのがおすすめ
彫刻の世界は奥深く、素人がその価値を判断するのは不可能だといわれています。
そもそも彫刻の価値を決めるためには、「素材」の見極めが必要です。
たとえば象牙や珊瑚が使用されている彫刻なら、それが「本物」であるどうかを鑑定する必要があります。
そして、彫刻技術を評価する目利きも必要です。
彫刻の買取に力をいれている買取業者には、さまざまな芸術や文化を熟知している査定士、専門的な知識を持っているプロの査定士が在籍しています。
「どんな価値があるかわからない」
「少しでも高く売りたい」
そんな方こそ、買取業者に依頼するのが得策です。
彫刻の査定ポイント
【ポイント①】箱や付属品の有無
購入当時の箱があるかないかで、買取額が変わる場合があります。
特に有名作家の彫刻の場合、署名付きの箱があればぜひ取っておくことをおすすめします。
「本物」と証明する判断材料になります。
【ポイント②】素材
たとえば象牙は「象の歯」であるため、時間の経過とともに牙の色が変化します。
こうした変化を「経年変化」と呼びますが、変化がはっきりしているものは「価値が高い」とみなされます。
また、珊瑚の場合は珊瑚の色やムラによって価値が変わります。
赤い珊瑚の中でも黒に近い「血赤珊瑚」は、高価買取になりやすい素材だといわれています。
彫刻を高く買い取ってもらうポイント
彫刻には「木彫り」「ブロンズ」「珊瑚」「象牙」などさまざまな素材で作られたものがありますが、
・有名作家が手がけた作品
・本体だけでなく共箱がしっかりある作品
・サイズが大きな作品
などが特に高価買取が期待できるものとなります。
そのほか、「綺麗な状態であること」も大事なポイントであるといえます。
たとえば、埃。
どんな素材の彫刻でもいえることですが、彫刻は凹凸部分に埃がたまります。
埃がビッシリつまっているものは査定額が下がってしまうことがあるので、事前にキレイにしておきましょう。
また、ブロンズなど金属製の彫刻の場合は錆が出てしまうと価格が下がってしまう可能性があるので、その点も注意したいところです。
ここでは、木彫りやブロンズ、珊瑚、象牙といった素材に合わせて、高価買取のために綺麗な状態を保つコツをまとめてみたいと思います。
○木彫りの彫刻
木彫りの彫刻は、埃やキズ、汚れなどのほかに「ヤケ」に注意する必要があります。
「ヤケ」とはいわゆる日焼けのことで、長時間に渡って太陽の光に当たることで変色してしまうことを指します。
ヤケがある彫刻は査定額が下がってしまうことがあるので、要注意。
日頃から木彫りの彫刻は日に当たりにくいところに置いておくことを心がけましょう。
○ブロンズの彫刻
ブロンズは、彫刻の素材としては最もポピュラーなもののひとつであり、現在の彫刻市場では特にブロンズ製の作品が多く出回っています。
そんなブロンズの彫刻については、すでにちょっと紹介したように「錆」が価格を下げてしまう原因になります。
雨に打たれたり埃がたまったり、人の手が触れることで汗や手垢が付着したりすることで錆が発生する可能性があるので、注意しましょう。
最近は錆を防ぐためのコーティング(アンモニアが使われることが多いようです)を行っているブロンズ彫刻も多いですが、いくらコーティングが行われていたとしても埃や手垢などを放置していると状態が悪くなってしまう可能性があるので、定期的にお手入れをすることを心がけましょう。
○象牙の彫刻
素材が象牙であれば、日々のお手入れが重要です。
汚れがある場合は、石鹸をつけたブラシで洗ってください。
流すときはぬるま湯を使うのがポイント。
また、本体に傷が入らないような毛が柔らかいブラシを選ぶようにしましょう。
洗ったあとは柔らかい布で水分を拭き取り、日陰でしっかり乾かしてください。
○珊瑚の彫刻
珊瑚も、日々のお手入れが必要です。
特に、珊瑚は水分に弱いという性質を持っているので、水に濡れたらしっかりと拭き取り、乾燥させましょう。
また人間の汗にも注意が必要です。
汗に含まれる酸によって光沢が失われ、美しさが損なわれることがあります。
触ったあとは、柔らかい布で汚れを拭き取るようにしましょう。