日本の伝統的な衣装である「着物」にはさまざまな魅力がありますが、「ずっと着られる」という点もそのひとつです。着物は流行に左右されにくいので、大切に保管すれば次の世代に伝えることができます。
しかし、最近は少子高齢化などの影響で「着物を継承できないため手放したい」と考えている人が増えているのだとか……。
そこで今回は、着物を高く買取ってもらうためのポイントについてまとめてみました。
着物の買取は業者に依頼するのがおすすめ
町のリサイクルショップやフリマアプリ、ネットオークションなどで売ることを検討される方も多いようですが、着物は専門の買取業者に任せることをおすすめします。
理由は、「他の方法では高く売れないから」です。
たとえば、リサイクルショップには専門知識を身に付けた「査定士」が在籍しておらず、物によっては「買取不可」といわれてしまう場合があります。
また、フリマアプリやネットオークションは「値切り」を求められることが多く、安い値段で手放す羽目になってしまうことも……。
一方、専門の買取業者は売り先を多く持っているため、価値に見合った価格をつけてくれます。
さらに自宅に来てもらえる「出張買取」などのサービスが整っているので「早く、楽に、高く」買取ってもらうことができるのです。
着物の査定ポイント
着物の査定を行う際に査定士が最も重視するのは、
・希少価値があるか(有名ブランドや有名作家の品であるか)
といった点です。
そのほかにも、着物のサイズや種類、色合いなども査定のポイントとして挙げられます。
では、それらについて以下に具体的に見てみましょう。
【ポイント➀】状態
やはり汚れやカビ、虫食いなどがあるものは査定価格に影響します。
古いものであっても使用感が少なく、状態の良いものは高価買取が実現することもあるようです。
一方、汚れやカビがある場合、中古品として売り出すことができないと判断されれば買取ができないということになってしまいます。
ただし、買い取った着物の素材を別用途で使うという場合もあり、買取可能となることもあります。
とはいえ、買取価格はかなり低くなると見て良いでしょう。
【ポイント➁】サイズ
着物のサイズ、特に「丈の長さ」は重要な査定ポイントのひとつです。
丈が短すぎる着物の場合は着用する人が限られてしまうため、査定価格が下がってしまうのです。
【ポイント③】種類、色
着物には、普段着用のものとフォーマルな場で着るべきものがありますが、買取業者が高い価値を見出すのはフォーマルな場で着ることができる着物です。
たとえば着物には訪問着、留袖、小袖、振袖などさまざまな種類がありますが、やはり訪問着や留袖などフォーマルな場で着れるものは需要が高い傾向にあり、買取価格も高くなる傾向にあります。
また、万人が着られるような色や柄が高価買取の対象になるといわれています。
【ポイント④】希少価値の有無
大島紬や結城紬といった歴史ある有名ブランドの着物は、それ自体で価値を持つので買取価格が高くなる傾向にあります。また、有名な作家がたずさわっている着物も高価買取の対象となることが多いようです。
特に、人間国宝に指定されているような作家が手がけている作品は高価買取のチャンスがあるといえます。
その際、「証紙」や「落款」があるかどうかが重要な査定ポイントになります。
証紙や落款はブランドや作家の品であることを証明するものであり、それがあることで着物の価値は保証されるわけです。
落款は着物そのものに押されているのが一般的ですが(おくみや衿先などに押されていることが多いようです)、証紙はその着物を購入した時に付属されるものなので、売りに出す前にあるかどうか確認しておくことをおすすめします。
着物を高く買い取ってもらうためのポイント
複数の業者に査定を依頼する
特に人間国宝が手がけた着物など希少価値の高いものは、査定士によって付ける付加価値が異なり、値段が大幅に変化することがあります。
そのため、複数の業者から見積もりをもらう「相見積もり」をしてもらうようにしましょう。
証紙、百貨店のレシートは一緒に提示する
前述したように、「本物」だと証明する証紙は査定の重要なポイントになります。
百貨店などで着物を購入すると、レシートが証紙になる場合もあるので、この場合はレシートを保管しておくようにしましょう。