象牙は象の門歯が発達したもので、その美しさや加工の容易さから工芸品として世界中で愛されています。
日本では主に印鑑や彫刻、根付などに利用されてきました。
しかし、象牙を取るためにアフリカゾウが乱獲され世界的に大きな問題となったため、1989年ワシントン条約により象牙の国際取引は原則禁止となりました。
ワシントン条約以降、象牙の取り扱いはデリケートになりました。
形状が残っているものに関しては登録表が必要となり、登録表がないと売却することができないため注意が必要です。
象牙の取り扱いに関しては国内の取引を既に禁止している、今後禁止することを表明している国も増えています。
国内でもヤフーやメルカリでは象牙の取り扱いを自粛しており、日本でも今後はどのような扱いになるのかその動向に注目が集まっています。
象牙の買取は業者に依頼するのがおすすめ
象牙は基本的に海外から入ってくることがないため、もともと日本で作らえていた、使われていたものが多く流通しています。
主に一本牙や根付、彫刻(置物)、アクセサリーがあり、その状態や重さなどによって価値が決まります。
先程触れたように象牙の取引は日本国内でもデリケートな扱いとなっているため、売却を検討されている方は骨董品などの買取を行っている業者に依頼することをおすすめします。
宅配買取は象牙を梱包や運送中に傷を付けてしまうリスクがあるため、梱包や運ぶ必要がない出張買取を利用するのがおすすめです。
象牙の査定ポイント
象牙が高額査定となるかどうかのポイントは以下の内容に左右されます。
・状態
重量に関しては本物であれば重たければ重いほど価値が高くなると考えても良いのですが、象牙の中にゴムや鉛などの詰め物がされていることも珍しくありません。
詰め物がされていた場合は詰め物を除いた後の重量で査定が行われるため、注意が必要です。
ただし、仮に詰め物が入っていた場合であっても自分で詰め物を取り除こうとすると、象牙にヒビが入るなど破損させてしまうおそれがあるため、そのまま査定に出すようにしましょう。
中に詰め物が入っているかどうか分からない状態の場合は扱いに長けたプロに任せ、そのまま査定に出すことをおすすめします。
象牙は非常に経年劣化しやすいため、少しの傷やヒビであれば査定額への影響は少ないですが、折れてしまったものやヒビが深い場合は査定額が下がってしまう可能性が高いです。
○一本物のチェックポイント
象牙の一本物の売買に関しては、法律による制限があり、「登録証」がなければならないとされています。
もし今、登録証がない象牙をお持ちの場合、それは偽物である可能性が少なくないといえます。
また一本物は、象牙の根もとのほうに深い空洞があるのが特徴ですが(大体3分の1くらいの深さ)、偽の象牙にはその空洞がありません。これもひとつの見分けるポイントになるでしょう。
また、象牙の表面に目を近づけて細かく見ることで本物であるか否かを判断することもできます。
本物の象牙は、よく見ると縞模様のような模様が付いています。
これはゾウの成長に伴って伸びていくために付く模様であり、天然の象牙は目を凝らすとうっすら浮かび上がりますが、偽物の象牙だとのっぺりしていて模様などは見られません。
○象牙彫刻のチェックポイント
象牙を素材にした彫刻作品を売りに出そうかと考えている方もいるかと思いますが、「これって本物の象牙?それとも偽物?」と迷ったら、彫刻の細かさに注目してみましょう。
象牙は固い性質を持っており、精密な彫刻を行うことができる一方、偽物の彫刻は素材が柔らかいため細かい彫刻ができません(細かく彫っているとボロボロ壊れてしまいます)。のっぺりして平面的な印象だと思われる彫刻であった場合、「偽物かも」と疑うべきかもしれません。
とはいえ、やはり素人目で判断するのは難しいところでもあるので、象牙に関する専門の知識を持つ査定士がいる業者に見てもらうことをおすすめします。
象牙を高く買取ってもらうためのポイント
象牙は日々のお手入れが非常に重要です。
少し汚れてしまった場合であればブラシに石鹸を付けぬるま湯で優しく洗ってください。
洗った後は柔らかい布などで水分を完全に拭き取り、日陰に干しましょう。
乾かす際には風や熱を利用することは劣化に繋がるため厳禁です。